Movie Cycle Diaries

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zoom RSS イン・ハー・シューズ  /In Her Shoes

<<   作成日時 : 2005/11/26 05:01   >>

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監督/
カーティス・ハンソン

脚本/
スザンナ・グラント

原作/
ジェニファー・ウェイナー

製作/
カーティス・ハンソン
リドリー・スコット
リザ・エルジー  

製作総指揮/
トニー・スコット

撮影/
テリー・ステイシー

編集/
リザ・ジノ・チャージン
クレイグ・キットソン

作曲/
マーク・アイシャム  

美術/
ダン・デイヴィス  

衣装/
ソフィー・ド・ラコフ


出演/
キャメロン・ディアス
トニー・コレット

シャーリー・マクレイン
マーク・フュアースタイン

リチャード・バージ
ジェリー・アドラー
ケン・ハワード
ノーマン・ロイド
ブルック・スミス
キャンディス・アザラ
エリック・バルフォー

 (2005年/アメリカ/2時間11分)  


 ヒッチコキアン カーティス・ハンソン  ネタバレあり

 カーティス・ハンソンはヒッチコック信者だそうだ。以前は『ベッドルームの女』、『バッド・インフルエンス』、『激流』、とサスペンスにこだわった作品を撮っていた(3作全部未見。語る資格ないな)。ブレイク作『ゆりかごを揺らす手』もヒッチを意識したような作品だった。話のキーとなる幼児玩具の使い方なんかは今思えばそれらしかった。

 今回の姉妹の物語となーんの関係もなさそうな話だ。でも、オープニングのキャスト・クレジットで早速ヒッチコックの影を見つけてしまった。「ノーマン・ロイド」という名前。物心ついたときにはヒッチが故人になっていた私には、どっちかというと『いまを生きる』の冷徹な校長役が印象に残る人だ。或いはチャップリンの『ライムライト』の脇役か。 
 
 ロイドはヒッチ映画でも屈指の有名な死を遂げている。『逃走迷路』でNYの自由の女神から滑落…! 映画の内容は大して覚えてないが、たいまつから落ちそうな彼の惨めな助命懇願と無情な結末は忘れられないものだ。
 
 そのロイドは当然、相当な老人だが、ハンソンは彼のキャリアを飾るに相応しい素晴らしい役をプレゼントした。キャメロン扮する主人公に新しい世界と希望を与える盲目の大学教授役。もっともエモーショナルな場面を提供する役柄だ。ハンソン、やっぱヒッチが好きなんだ…。

 ハンソン作品、いつもエンド・クレジットが固定式だが、これはマーティン・スコセージ?それともウッディ・アレンの影響?


  文系 カーティス・ハンソン

 その教授は専攻は詩。原作あり作品とはいえ、ハンソンらしい。

 ハンソンの前々作『ワンダー・ボーイズ』は文学部を舞台にしたドラマだった。この映像にしても画にならない文学部の話を素晴らしい映像に仕立て上げた希有な作品。短い時間内に起こる文系チックなドタバタを上品にかつ饒舌にまとめ上げた傑作。これに続き今作でも文学を映像に絡める上手さを見せている。こんな監督他に居ないよ。希有の人材。 見方によっては『8マイル』も即興詩で相手をぶん殴るような映画だった。あれも見方によっては文系だ。

 かく言う私の専攻は文系(文学ではないが)だった。ワンダーボーイどころかロクにゼミにも出ない不真面目な劣等生。でも、ハンソンの醸し出す文系な雰囲気はなんとも懐かしい。今思えば勉強は真面目にするべきもんだ。すごく後悔。

 
  ユダヤ人コミュニティの老人ホーム

 肝心の映画の内容は、一言で言うと「上手いが甘い」。 「上手い」のはハンソンの演出であり、彼が引き出すメインの役者の演技である。「甘い」は下手、でなくスウィートの甘い。どれだけ演出が手綱を締めても話の芯がスウィートすぎるので、甘ったるい印象も残ってしまうのだ。
 
 原作はジェニファー・ウェイナーの同名小説。ウェイナーという姓もおそらくユダヤ人だと思うが、シャーリー・マクレーン扮するエラや、彼女が働く老人ホームの人々、トニー・コレットの婚約者などユダヤ人の登場人物が多い。だからどう、と言うことはなし。

 シャーリー・マクレイン、『奥さまは魔女』の役のヒドさで心配してたが、今回はなかなかいい感じ。 

<ahref="http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/004/977/89/1/inhershoes5.jpg" target="_blank">


  キャメロン&トニー・コレット、姉妹の結びつき
 
 普通、真面目な役のトニー・コレットの方が役者としては旨味があるものだ。派手さを捨て、内面をじっくり表現できる役。確かにトニー・コレットは良い。鬱陶しい妹を遠ざけつつ、徐々に空虚さを感じていくところを微妙に醸し出していく所なんかホント上手い。 
 
 でも、キャメロン・ディアスがそれに増してもいい。この役は本当にハマリ役だ。その場の感情に任せて生きるセンシビリティでだらしない(部屋も手グセも)女。これを喜々と演じられるキャメロンの持つ天性の明るい雰囲気。あっけらかんと人を魅了する肉体。 そして年齢。アイシャドウに見え隠れするシワが、彼女の役の行き止まり感を物語っている。 
 後半、キャメオロンは天性の明るさと逞しさ、そして老人ホームで発掘される才能を武器にどんどんいい女になっていく。空っぽそうな明るい笑顔をキープしつつ、内面の変化をもの静かに見せる姿は、そうそうどの女優でも見せられるものじゃない。この作品の彼女はホント適役好演。
 
 キャメロンとトニー・コレット、2人の相性は抜群。全く似ていないのに本当の姉妹として違和感なし。それぐらい呼吸が合った演技だ。2人が再会し、母に関する過去を知っていく過程は感動的である。


 それを見ていると姉妹というものの結びつきの強さを改めて感じる。離れていても一心同体の存在。私の母親には姉妹が多いが、やはり離れていても結びつきが強い。喜びも悲しみも分かち合う、まさに一心同体だ。 
 私はというと女兄弟(?)は妹だけいるが、親の家で同居している子供時代は異性兄弟というものが理解できず、ほとんど相手にしてなかった。今でこそ話したりする機会は多くなったが、もし彼女に兄でなく姉が居たなら、より充実した人生が今まで送れていたのではないだろうか? そう思うと何か申し訳ない気持ちになって……劇場を後にした。


<ahref="http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/004/977/89/1/inhershoes7.jpg" target="_blank">

犬と一緒にロッキーするトニー・コレットさん↑↑
映画の前半の舞台はフィラデルフィア。フィラデルフィアといえばロッキー!
階段を駆け上がって腕を振り上げるのはお約束。
そういや、トニー・コレットの母親役が感動的だった『シックス・センス』も舞台はフィラデルフィア。


演技 ★★★★
物語 ★★★★★
映像 ★★★★★
美術 ★★★★★
音楽 ★★★★★
笑笑 ★★★★★
感動 ★★★★★
興奮 ★★★★★

総合 ★★★★★★★★★★ 7点


オフィシャルHP(日本)
http://www.foxjapan.com/movies/inhershoes/

オフィシャルHP(アメリカ)
http://www.inhershoesmovie.com/    

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
「上手いが甘い」、なるほど作品の性質を言い当てていると思います。
僕はこの甘いの部分にハンソンの論理的な一面が大きく反映されている気がして、いまいち乗り切れなかったのですが。何と言うか、全てが丸くおさまっていく予定調和の物語を、論理的な構成でうまく誤魔化されてしまったような・・・。上手いんです、本当に。

ノーマン・ロイドという役者さんの存在はまるで知りませんでした。あの大学教授の役は印象的でしたから、stovalさん推測の通り、ハンソンのヒッチコック愛がそこにあるのでしょうね。
gwin
2005/11/29 15:21
>gwinさん
物語は予定調和そのものですよね。
ストーリーそのものは特に感心はしませんでした。
アカデミー賞ではノー・ノミネートで終わる気がします。
マクレーンもよほど駒不足じゃないと厳しいでしょうね。 
stoval
2005/11/29 22:26
If extravagance is more your thing, think along the lines of Alice in Wonderland/Queen of Hearts, a derby party or a Japanese tea garden
rustic wedding ideas http://ras.com.pk/rustic.html
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2015/05/13 05:49

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