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zoom RSS エリザベスタウン  /Elizabethtown

<<   作成日時 : 2005/11/12 22:58   >>

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監督・脚本/
キャメロン・クロウ  

製作/
トム・クルーズ
キャメロン・クロウ
ポーラ・ワグナー  

製作総指揮/
ドナルド・J・リー
  
撮影/
ジョン・トール

編集/
デイヴィッド・モリッツ
マーク・リヴォルシ
  
作曲/
ナンシー・ウィルソン

美術/
クレイ・グリフィス  

衣装/
ナンシー・スタイナー


出演/
オーランド・ブルーム
キルスティン・ダンスト

スーザン・サランドン
ジュディ・グリーア
アレック・ボールドウィン
ジェシカ・ビール

ブルース・マッギル
ポール・シュナイダー
ルードン・ワインライトV
ゲイラード・サーテイン
ジェド・リース 
                

(2005年/アメリカ/2時間03分)


Hard Times 

 キャメロン・クロウを信じる。 そう思って公開初日に観に行った。

 『シングルス』『ジェリー・マグワイア』『あの頃ペニーレインと』……どの作品も観賞後に人生への新たな視界が開け、生きる活力が湧いた。悩み立ち上がる主人公に自分を投影した(トム・クルーズに自己投影とは不遜・身の程知らずも甚だしいが)。人生には苦難と挫折は付き物、それ乗り越えるのはポジティヴさと自らの行動だ……クロウの映画は教えてくれた。

 そんな風にお世話になったキャメロン・クロウの私的要素が多いという新作『エリザベスタウン』製作の情報を目にしたとき、「傑作に決まっている!」と思ったもんだ。主役がデミ・ムーアの恋人で阿呆な発言の多いアシュトン・カッチャーと聞いたときは不安を感じたが、オーランド・ブルームに変更と聞いてやや安堵した。でも『トロイ』を観て再度不安に落ちた。 ヒロインがキルスティン・ダンストと聞き、それは素直に喜んだ。クロウの世界と彼女の相性は悪くないはず(ぶっちゃけ結構好きな女優だ)。脇役もスーザン・サランドン、アレック・ボールドウィン、ブルース・マッギルら手堅い俳優が決まり、これでいよいよ傑作に!と思ったが、おっとどっこい…

 …全米公開では批評家からの大不評を受け、興行もパッとしなかった。『バニラ・スカイ』のような畑違い作品の不評は納得だが、まさかクロウが私的題材でコケるとは。何がいけなかったのだろう、オーリー?キルスティン?クロウ?  前評判の高かったアカデミー賞戦線からも早々の撤退となってしまった。 

 正直、この映画を観るモチベーションも下がってしまっていたが、ちょうど公開直前に私はブルーになっていた。行き詰まりを感じていた。 「クロウの映画を見れば新しい視野が幌が広がるかも…」と午前中は仕事をサボって休んで、劇場に駆けつけた。 評論家が何を言おうが関係ない。キャメロン・クロウを信じる…。   

 と、ささくれた私情を持ち込んでこの映画を観たのだが、観て本当に良かった。またクロウに勇気をもらった。そもそも物語は破滅的な失敗(それと比べたら私のブルーさなど微生物みたいなもんだが)を犯した男の物語。人生への絶望を告白した主人公をキルスティン扮する女が勇気づける。その勇気づけの言葉が身にしみる。明日はきっと良い日になるだろう。

My Fathers Gun   ネタバレあり 
 
 と言った感傷的なタワ言はさておき、この作品には不評をかこっても不思議でない部分が確かに目に付く。まず、前半の主人公ドリューはあまり利口な人間に見えない。自殺しようとするシーンは失笑モノだし、携帯保留であちこちを待たせるシーンでは、葬儀や父の死が女を口説く事以下のように感じてしまう。保留の仕方も感じが悪く、このシーンには脚本家クロウの悪ふざけが過ぎた感じがする。 スー・サランドンの母親役も奇行を強調しすぎて変人にすら見えてしまう。クライマックスにつながる奇行ではあるが、もう少し普通な感じでも良かったのでは。

 編集もスニークプレビューで不評をかこち、公開前に急遽やり直したという噂があったが、それも納得だ。音楽で会話をかき消してムードだけで乗り切ろうというような凡庸な手は、今までのクロウ作品では考えられなかった。会話の妙が持ち味なのに。それほど不評な会話だったのか。主人公2人の会話が長すぎたのか。 
 

 おそらく、葬儀後の展開も不評の要因だろう。観光巡りのようなロードトリップは、全体的に見て長い蛇足だし、ヒロインの手段も回りくどく感じられるかもしれない。主人公が骨壺に語りかけるシーンも感傷的かも知れない。
 ……………しかし、だからこそこの映画が私は好きだ。葬儀後の展開にこそ、監督キャメロン・クロウの私的世界を感じるから。メンフィスでのロックへの憧憬、カーステレオと歌う主人公、車の中の独り言、片手を振っての独りのダンス……『ペニー・レイン』ほど濃くはないにしろ、これはクロウの世界だ。 個性のある監督の内的世界を観せられると結構私は満足する。『TAKESHI'S』すら満足感が残るのだ。いわんやクロウとなれば。 ラストの仕組まれた再会も満足して見れた。クロウの映画はハッピーエンドだ。だから2人が再会するのは必然なのだ。


 あと、スー・サランドンのダンスも感動的。 音楽はロック評論家クロウの選曲だけあって名曲揃いだけど、エルトン・ジョンの"My Fathers Gun"がやっぱ強烈。『ペニー・レイン』の"Tiny Dancer"に続いてエルトン・ジョンとクロウは相性が良いようで。 クロウの嫁さんナンシー・ウィルソンのテーマ曲"60 B"も良い感じのインストゥメンタル。


演技 ★★★★★
物語 ★★★★★
映像 ★★★★★
美術 ★★★★★
音楽 ★★★★
笑笑 ★★★★★
感動 ★★★★
興奮 ★★★★★

総合 ★★★★★★★★★★ 8点

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
映画鑑賞についての客観的ブログ記事とは、こうあるべきなのですね。
勉強させて頂きました。
グラディエーターの記事にあったセリフの紹介には、心躍るものがあり、密かに自分の心のノートに書き留めさせていただきました。
笑いが3点ですが、私としては棺桶がガタン、ガタン・・ズリっと
埋められていくシーンが可笑しくてたまらず・・。
body&soulW
2005/11/25 07:40
>body&soulWさん

とーんでもないです。客観性も何もない、自我すら不確定な駄文であります。
逆に拝見させてもらったbody&soulWさんの文章の
上手さ、内面を表現する語彙の豊富さに感服です。

棺桶のシーンは笑えましたね。
スーザン・サランドンのリアクションが絶妙でした。
stoval
2005/11/26 01:21

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