Movie Cycle Diaries

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zoom RSS アカデミー賞 −長編ドキュメンタリー部門−  エントリー作発表 &予想

<<   作成日時 : 2005/11/16 23:48   >>

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 昨日11月16日に下記の15作品が選出された。ここから5作品が本戦にノミネートされる。
作品名の後の名前は監督。( )内は配給会社。その後の数字は11月11日現在の興業収入。

■ After Innocence   
   監督/ジェシカ・サンダース (New Yorker) 3万j
  無実の罪で投獄された男が、DNAの証拠で無罪となったその後を追う社会派作品。サンダンスで賞を受けている。サンダース監督は2001年の短編『Sing!』でノミネート経験有り。 



■ The Boys of Baraka   
   監督/ハイディ・イーウィング&レイチェル・グレイディ (Think Film) データなし
  ボルチモアの犯罪地域で育った少年がケニヤの寄宿学校へ。その一年間を追う。 

■ Darwin's Nightmare   
   監督/ユベール・ソウペル? (IFC) 7万j
  タンザニアのヴィクトリア湖が欧州の企業により破壊されていく様子を追う。世界各国のドキュメンタリー賞を受賞した。欧州5カ国の合作。   

■ Enron: The Smartest Guys in the Room   
   監督/アレックス・ギブニー (Magnoria Pictures) 400万j
  ベサニー・マクリーンのノンフクション『部屋で一番賢い奴ら:エンロン驚きの隆盛とスキャンダラスな転落』(テキトー訳)が原作。全米を震撼させたエンロン事件を追う。ナレーターは俳優のピーター・コヨーテ。春の公開時に話題となった。 

■ The Devil and Daniel Johnston   
   監督/ジェフ・フュージーグ  (Sony Classics) データなし
  エキセントリックな天才音楽アーティスト、ダニエル・ジョンストンの肖像。サンダンスで監督賞を受賞。ポスターの表紙はなぜか蛙。

■ Favela Rising   
   監督/マット・モチャリー&ジェフ・ジムバリスト  (Think Film) 未公開
  リオで非暴力のアフロ=レゲエ運動を始めた男を追う。トライベッカ映画祭で新人賞。

■ Mad Hot Ballroom   
   監督/マリリン・アグレロ  (Pramount Classics) 800万j
  NYの小学校で社交ダンス・プログラムが取り入れられる。ダンス、そして競技会へ。楽しそうなお話。   
   
■ 皇帝ペンギン   
   監督/リュック・ジャケ  (Warner Independent) 8000万j
  ドキュメンタリー作品としては『華氏911』に次ぐ歴代2位の大ヒットを飛ばしたお化け作品。皇帝ペンギン夫婦が悪戦苦闘で卵を育てる姿を零下の南極にて撮影。フランス語版、日本版ともに俳優が声優としてペンギン家族に成りきり、甘ったるい変な擬人化会話を聞かされたが、アメリカ版はモーガン・フリーマンの独り語り。シブい! DVDにはこのバージョンを絶対に入れて欲しい。

■ Murderball   
   監督/ヘンリー・アレックス・ルビン&デイナ・アダム・シャピロ  (Think Film) 150万j
  ハンディキャッパーによる車椅子バスケの過酷な世界。アテネ・パラリンピックでの死闘までを追う。井上雄彦の『リアル』のリアル版? サンダンス観客賞を受賞。アツい注目の一作。

■ Occupation: Dreamland   
   監督/イアン・オールズ&ギャレット・スコット  (Rumur) 0.8万j
  イラクの最も危険な街ファルージャに駐留するアメリカ兵の姿を追う。「夢の地」なワケがない。皮肉なタイトル。

■ On Native Soil: The Documentary of the 9/11 Commission Report   
   監督/ リンダ・エルマン  (配給会社未定?) 未公開
  911テロ・アタックの委員会報告を取り上げている。ナレーターはケヴィン・コスナーとヒラリー・スワンク。  

■ Rize
   監督/デイヴィッド・ラチャペル  (Lions Gate) 330万j
  LAのスラム、サウスセントラル地域の若者たちのダンスムーヴメントを追う。『Mad Hot Ballroom』と違い、熱く激しいアフリカン・アメリカンのダンス。

■ Street Fight   
   監督/マーシャル・カリー  (配給会社未定?) 未公開
  2002年のニュージャージー州ニューアークの市長選挙を追う。よう分からんけど、タイトルがタイトルだけに激しい選挙戦だったんでしょうな。ソプラノ・ファミリーもかんでたのかな。

■ 39 Pounds of Love   
   監督/ダニー・メンキン  (HBO) データなし
  体重が16sしかなく、車椅子の生活を送る男がバイクのサイドカーに乗り旅に出る。

■ Unknown White Male   
   監督/ルパート・マーレイ (?) データなし
  コニーアイランド出身のダグ・ブルース。全健忘症の彼の人生を追う。関係ないが「Single White Female」は『ルームメイト』の原題。


予想

 マイケル・ムーアが壇上で「恥を知れ、ミスター・ブッシュ!」とやっていらい俄然注目度が上がった長編ドキュメンタリー賞。その注目に応えるようかのに、年々ハイレベルな作品が競っている。先年は話題の主『華氏911』は作品賞を狙う戦略上(ドキュメンタリー部門でも多分ノミネートされなかったと思うが)不在だったが、ヒット作『スーパーサイズ・ミー』が盛り上げてくれた(賞は逃したが)。

 本年度は前評判の高かったヴェルナー・ヘルツォーク監督の『Grizzly Man』や、『The Untold Story of Emmett Loui Till』といった作品が選ばれなくて残念だが、こうして色々と調べてみると、どれもなかなか興味深い題材ばかり。例年になくレベルと知名度の高い作品が揃い、ノミネートされるまでもが激戦。これは楽しみであります。

 本年度の話題の主は皇帝ペンギン。異例のロングランヒットで全米興業収入の最高6位まで上り詰めた。そのインパクトと、『WATARIDORI』や『らくだの涙』といった動物モノがノミネートされている過去データを考えると、皇帝ペンギンのノミネートは鉄板と思われる。

 この賞の受賞作の傾向を見ると、『フォッグ・オブ・ウォー』『ブラック・セプテンバー』といったポリティカルな題材を扱ったものが、個人の記録モノを破っていることが多い。題材のインパクトや知名度が大きい分、有利なのだ。本年度でそれに該当するのは EnronOn Native Soil。後者は問答無用のインパクトある題材だが、評価の程は分からない。ケヴィン・コスナーにナレーションを任すというセンスは疑わしい。よって知名度とヒットを鑑みEnronを推す。911テロのドキュメンタリーは今後も出続けるだろう。

 記録モノについては社会の記録、個人の記録と分けられると思う。大体このジャンルからは2〜3作品は選ばれている。
 (社会の記録) 高い評価が確立しているのは、MurderballMad Hot BallroomRizeの3作品。 似た題材の後者2作品はどちらかが選ばれるだろう。よりソフトな題材のMad Hot Ballroomを推すが、先年度に『TOPAC:レザレクション』が選ばれていることを考えると、絶対そうとも言い切れない。 Muderballも評価や注目度が他作品より一歩抜き出しており、これもノミネート確実と見る。
 (個人の記録) The Devil and Daniel Johnstonの知名度が高いが、近年はこの伝記というジャンルがあまり選ばれていない。個人的には39 Pounds of Loveを注目したいところ。

 社会派作品では After InnocenceOccupation: Dreamlandが目立つ。後者はイラク厭戦ムードが広がっているだけに、左寄りとされるアカデミードキュメンタリー科会会員が選ぶかどうか気になるところ。ひねりを入れてAfter Innocenceを推しておこう。今までドキュメンタリー部門は短編長編を問わずユダヤ人に関わる題材(ホロコーストなど)が強かった。本年度はそれらしき作品はないようだ。

ということで予想5作品。   ◎=ノミネート確実  ○=有力  ▲=自信なし

◎ 皇帝ペンギン
○ Muderball
○ Enron: The Smartest Guys in the Room
○ Mad Hot Ballroom
▲ After Innocence


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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
これからうちのサイトでも15作品の解説をやりますので参考にさせていただきます。本当はそのままコピペしたいくらいなんですが(笑)僕が追加する内容もありませんしね。

さて、予想ですが、ジャンル分けした考察はお見事です。選ばれた5作品もほとんど異論ありません。個人的な注目作品も同じく「39 Pounds of Love」です。プロットを読むとヒューマニズム溢れる感動作のような感じですが、映像で語られる1人の男のリアルな旅立ちはインパクトがありそうです。

・・って日本公開があるのかが問題なんですけどね・・。
gwin
2005/11/17 14:24
>>gwinさん

予想を思いっきり参考にさせて頂きました。
で、今日改めてgwinさんの解説見ると自分の英語力のなさ&内容の無理解が露呈w
・・・・昨日調べて作品を知り、今日更に作品をより把握出来ました。
やっぱ、gwinさん凄いです。
冤罪モノのノミネート率を注視して「アフター〜」を選びましたが、
トレーラーとか見るとやっぱり「39 Pounds of Love」に変えようかな・・・
stoval
2005/11/17 23:47
いえいえ、stovalさんのを下敷きにさせていただいたので、プラスアルファの解説をつけなきゃな〜とちょっと背伸びしてみたまでです。僕の英語力はまったくたいしたことないので骨が折れましたw

「39 Pounds of Love」、プロット読むだけで泣けてくるんですよね・・。そういうのも障害者差別と言われてしまうんでしょうけれど。
gwin
2005/11/18 10:50
「39 Pounds of Love」の評価が芳しくありませんね・・。
ドキュメンタリーであんなに厳しい点がつくのって珍しい。ノミネートは無理かな。。。
gwin
2005/11/25 21:53

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