Movie Cycle Diaries

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zoom RSS キング・コング  /King Kong

<<   作成日時 : 2005/12/20 23:50   >>

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監督/
ピーター・ジャクソン
  
脚本/
ピーター・ジャクソン
フラン・ウォルシュ
フィリッパ・ボウェン

原作/
メリアン・クーパー
エドガー・ウォレス
  
製作/
ピーター・ジャクソン
フラン・ウォルシュ
ジャン・ブレンキン
    
撮影/
アンドリュー・レスニー

編集/
ジェイミー・セルカーク  

作曲/
ジェイムズ・ニュートン・ハワード  

美術/
グラント・メイジャー  

衣装/
テリー・ライアン  

視覚効果/
リチャード・テイラー
ジョー・レッテリ
スコット・アンダーソン
ベン・スノウ  


出演/
ナオミ・ワッツ
ジャック・ブラック
エイドリアン・ブロディ

トマス・クレッチマン
ジェイミー・ベル
コリン・ハンクス
エヴァン・パークス
カイル・チャンドラー
ジョン・サムナー
クレイグ・ホール

アンディ・サーキス  


 (2005年/アメリカ/3時間08分)



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The beast looked upon the face of beauty.
野獣は美女を見下ろし

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And it stayed its hand from killing.
その手は殺戮を止めた。

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And from that day, it was as one dead.
その時に命運は尽きていた。

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Tonight, ladies and gentlemen,
I'm going to show you the greatest thing your eyes have ever beheld.
He was a king in the world he knew, but he comes to you now - a captive.
Ladies and gentlemen.. I give you - KONG! ...
紳士淑女の皆さん、今夜 あなた方が未だ目にしたことのない偉大なる生物をお見せしましょう。
彼は自身の世界では王でした。しかし、今ここにいる彼は・・・ 囚われの身。
紳士淑女の皆さん、お見せしよう コング!


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  記憶の始まり『キング・コング』

 私の記憶は『キング・コング』から始まる。勿論、ピーター・ジャクソンが惚れ抜いた1933年度オリジナル版ではなく、1976年にディーノ・デ・ラウレンティスが作ったリメイク版だ。若き日の私の親父は当時大ヒット中の『キング・コング』を観るべく、兄(当時5歳)と私(当時3歳くらい)を連れて劇場に入った。そのスクリーンに映っていたシーンから私の記憶は始まる。

 ハッキリと覚えている。シーンは女の人が目の前で滝にうたれている。水浴びだったのだろうか。目の前には巨大なキング・コングが。 私は絶叫、大泣きした。怖かったのだ。親父も息子が泣き叫ぶので映画どころでなく、しぶしぶ劇場を出た。幼児を連れて怖い映画を観に行くなんて親父の見識を疑わざるを得ないが、映画代をフイにした事は申し訳なく思うし、他の皆様に迷惑をかけた。今の自分が居たら「何考えてんだ!」と怒ったに違いない。 ……とにかく、覚えている一番最初の光景だ。15年ほど後に滝に打たれていた女の人はジェシカ・ラングという女優だと知った。しかし、その後1976年版は見ていない。



  ピーター・ジャクソンとキング・コング 

 パターンは全然違うが、この映画の監督ピーター・ジャクソンも幼少の頃にキング・コングに影響を受けている。以来、コングの映画化は彼の悲願と化した。ジャクソンは過去(『さまよえる魂たち』でハリウッド上陸を果たした頃)にも再映画化を試みたが、権利を持つユニヴァーサルは興行実績のない監督の願いを退けた。『マイティ・ジョー』という映画の出現も却下理由のひとつ。
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 その後、ジャクソンは『ロード・オブ・ザ・リング』3部作で不朽の名声を手に入れた。今度ばかりはユニヴァーサルもこの超売れっ子監督の企画を2つ返事で受け入れ、ディレクターズ・カット権まで与えた。そして完成した作品は3時間8分もの大長編。ジャクソンのアメリカン・ドリーム達成だ。

 きょうびのリメイクと言えば、『チャーリーとチョコレート工場』を見ても、設定や脚本が変わり、現代向けにハデな味付けがなされていることが多い。ところが、ジャクソン監督はあくまで自分が惚れた1933年度版に忠実にする事に拘っている。 時代設定、役名、台詞なんかはそのまま。台詞の中に1933年度版のメリアン・クーパー監督や主演女優フェイ・レイの名前まで飛び出すオマージュぶり。だから1933年度版のファンにはたまらないだろう。 ……しかし、私は思う。「もっと冒険して欲しかった」と。

 1933年度版に忠実に、というコンセプトがある以上、ストーリーの不都合さやキャラクター設定に文句を付けるのは筋違いというモノであろう。しかし、やはり今の映像でこの話を見ると、どうしても薄っぺらに感じる部分が出てくる。それはジャクソンの狙い通りだ、ジャクソンは1933年度版を変えることを望まなかったんだ、と分かっていても納得できない自分がいる。



  男性キャラクターへの不満

 特に感じるのは、脚本家ジャックのキャラクターの平凡さ。エイドリアン・ブロディはオスカー俳優なのに、演技でも表情の豊かさでもキング・コングに負けている。コングに挑む勇気も掘り下げ不足だし、後半で警官を押しのけてビルに上るシーンの必然性には頭を傾げてしまう。 

 いっそのこと、このキャラクターは不在だった方が映画は面白かったんじゃないかと思えてしまう。 最後に残されたアンが一人だったらどれだけ美しく哀しい画になるだろう……。彼とコングのチェイスがなければ、どれだけシンプルにコングの破壊を楽しめただろう……。どれだけ船のシーンが短くなったろう……。どれだけアンとコングの関係が際立っただろう……。
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 もう一人の主役、カール・デナムについても不満だ。島で徐々にクルーを失い、遂にはコングによって一番何より誰より大事なフィルムを失う。そしてコングへの憎悪で己の狂気を増幅させる人物……なんだが、NY以降の描写がアッサリで平凡すぎる。コングが暴れ出して唖然、最後にガラにもない1933年度の決め台詞。勿体ない!アンとコングの関係が主軸なら、デナムの狂気は脇の重要な装飾だ。もっともっと深くキャラクターに突っ込んで、人間の悪意を象徴出来たのではないか。その為にジャック・ブラックを引っ張り出したのではないのか。前半はミスキャストの匂いプンプンだったが、島の後半は徐々に狂気を発してきた。NYに戻るとまた平凡で狂気のない別人だ。ブラックの無駄使いだ。

 他にもいわくありげな船長も役どころはシンプルなものだし、少年と黒人操舵士の交流も何の話にも繋がらない。アンのキャラも掘り下げ不足。コングに惹かれる理由が「命を助けたから」だけになってしまい、前半の彼女の孤独&失望と繋がってこない。
 アンディ・サーキスがグロい蛭に喰われる姿を延々と映しているヒマがあったら、こういうところを何とか出来なかったのか。『王の帰還』と同じくあっという間の3時間だが、要らないシーンが多すぎるという点では全く及ばない。

 ハッキリ言えば、忠実なリメイクなんて見たくなかった。『指輪』で素晴らしいアンサンブルを役者から引き出したピーター・ジャクソンの演出と脚本による全く新しい『キング・コング』の方が良かった。結末はビルの頂上で結構。しかし、そこに至るまでの過程はピーター・ジャクソン自身の料理したもので観たかった。彼なら絶対に忠実なリメイク以上のモノを創り出していたはずだ。



  美女と野獣 
 
 しかし、キング・コング自身は凄い。CGによって毛のフサフサまで具現化されているリアルさもそうだが、何より獰猛な仕草や吠え声の迫力は威厳すら漂う。これは凄い仕事だ。今年のアカデミー賞視覚効果賞は『SW3』の功労賞で決まりかと思っていたが、認識を改めねばなるまい。
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 その威厳あふれるコングとナオミ・ワッツ扮するアンとの関係は、流石ピーター・ジャクソン、感動的になっている。特に撮影アンドリュー・レスニーの腕が冴え、夜のNYや夕陽の丘(orビル)で見つめ合う1人と1匹の姿はただ美しい。ワッツも非常に美しく撮られている。私の記憶の始まりとなった滝のシャワーシーンは流石にないが……いや、無いほうがいい。 

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 ただ、恐竜や虫(ナウシカみたいだ。恐ろしいほどリアルでグロテスクだ)とのアクションが長すぎる(かなり面白いんだけど)せいもあって、アンとコングの関係ももっと堀り下げる時間がとれたのでは、という惜しさを感じる。

 もうひとつ惜しいのは、コングのNY大暴れに破壊のカタルシスが伴わないことだ。劇場では凄いが、街に出てからがいまひとつ。エイドリアン・ブロディとのつまらないチェイスに時間を割きすぎだろう。目玉のエンパイヤステート登りもアッという間で、文明の象徴を征服するという驚愕は存在しない。 髑髏島での大暴れは凄いカタルシスと可笑しさがあるのだが。


 とまあグダグダ文句を書いたが、娯楽作品としては超一級だ。私の場合、過度の期待を抱いてしまった分、その反動で不平不満を感じてしまったわけだが、この作品は絶対に劇場で観るべきだろう。



演技 ★★★★★
物語 ★★★★★
映像 ★★★★★
美術 ★★★★
音楽 ★★★★★
笑笑 ★★★★★
感動 ★★★★
興奮 ★★★★

総合 ★★★★★★★★★★ 


            しかし・・・・・・・なにがあったの、ピーターさん
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キング・コング
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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
初めまして!御挨拶かねてTBさせていただきました!
P・ジャクソンの激ヤセ!びっくり!ですよね。
本人いわく『ロード〜』のとき、
ケイタリング・サービスの食事だったので
太ってしまった!と弁解?してましたがね。
よっぽど美味しかったんでしょうか?ケイタリング・・・。
伽羅
2005/12/21 01:02
>伽羅さん

初めまして。コメントありがとうございます。

ケイタリング! そりゃ初めて知りました。
そういや低予算ホラーで鳴らしたときのジャクソン、
写真ではもっと痩せていたような・・・
まるでホビット=ジャクソンのイメージが強いけど、
素はスキニーな人なのかも。


stoval
2005/12/21 02:12
Pジャクソン痩せたよね〜〜
死ぬほどダイエットしたらしいって何かのインタビューで答えてたけど、ここまでとはね。太ったスピルバーグみたいなキャラも嫌いじゃなかったけど、今のほうが哲学者っぽい空気もあってちょっとセクシーかもね。
ponta
2005/12/21 13:08
>pontaさん
ジャクソン、なんか目つきまで変わってますよね。
福の神が羅刹になったような。
イタリアのホラー監督みたいに。
あ、もともとホラーの人だからこれでいいのかな。
stoval
2005/12/22 13:08
この度は、ブログにご来訪&TB返し&コメントまでいただき、
ありがとうございました!!!!!
これからもどうぞ宜しくお願いします!!
ではまた、遊びに来ます!!
伽羅
2005/12/24 01:11

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