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zoom RSS アカデミー賞 ノミネート一覧&プチ予想  【作曲賞】

<<   作成日時 : 2006/02/03 23:29   >>

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 【 ノミネート所感 】


 同じ面々が顔を揃える印象のある作曲賞。ここ1990年代以降は(常連5)か、(常連4+新鋭or外国人1)というノミネート分布が常である。「同じ作曲家による持ち回り賞」という評も目にするが、実際に本戦での勝利を収めるのはこの「新鋭or外国人1」であるケースが多い(昨年のヤン・カチュマレクタン・ドゥンルイス・エンリケ・バカロフジョン・コリグリアーノニコラ・ピオヴァーニなど)。 これは本戦投票をするオスカー会員の多国籍化もあるが、会員が外国の旋律を新鮮に感じていることが大きいと思う。名匠クラスのコンポーサーにややマンネリの気があるのも理由であろう。それでも今までノミネートにはハリウッド内の名匠が選ばれてきた。


 そのノミネート分布も本年度は大きく変わった。(常連2+新鋭3)、新鋭3は皆外国人であり、活動の拠点も外国だったコンポーサー達だ。トーマス・ニューマンジェームズ・ホーナーダニー・エルフマンといった常連達は有力作を抱えていたのにノミネートされなかった。上記の通りのマンネリ化が見える彼らを選ばなかったあたりはオスカー音楽科会員の慧眼であり、より賞の価値を高める選考になったと見るべき。 
 その新鋭外国人3名に1人2曲で受けて断つのは超巨匠ジョン・ウィリアムズ。シリーズ物以外ではマンネリとは無縁の創作者。既に見たSAYURIもエンド・クレジット曲の巧みさ新しさには唸ったし、未見だがAmazonで試聴したミュンヘンも印象的かつ完成度の高い仕上がり。上記の最近マンネリな方たち(ハンス・ジマーも入れておこう)とは一線を画する。納得のノミネートだ。   

 新鋭外国人3人に巨匠1人。この部門としてはかつてない刺激的な顔ぶれであり、今までになく受賞の行方が楽しみだ。

 ところで、今回もノミネートされなかったハリー・グレッグソン=ウィリアムズナルニア国物語)。『シュレック』に続いてのヒット作での無視であり、オスカー会員が彼を含めた「ハンス・ジマー門下」を全く認めていないことが再確認された。今回は曲自体も良く、映画の内容も高尚なだけにダメージは大きい。彼がノミネートされるまでには年数を要しそうだ。
 キング・コングジェームズ・ニュートン・ハワードの無視もやはり引継ぎ仕事が災いしたか。印象的な旋律だっただけに、そこが理由としか思えない。



 【 栄えあるオスカー・ノミニーたち 】


■ グスタヴォ・サンタオラヤ   『ブロークバック・マウンテン   
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     初ノミネート  

 アルゼンチンはブエノスアイレス出身。1980年初頭より活動を始めるが、映画での仕事は少なく曲のアレンジ程度。ブレイクしたのは今作の撮影担当ロドリゴ・プリエトと同じく2000年のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督のアモーレス・ペロス。イニャリトゥのハリウッド進出作21グラムを経て、公開中の大作スタンドアップに抜擢される。



■ アルベルト・イグレシアス   『The Constant Gardener  
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     初ノミネート  

 1955年スペイン生まれ。50歳。1980年より母国スペイン映画のコンポーサーとして活動を始める。日本で公開された作品のほとんどは1995年の私の秘密の花以来コンビを組んでいるペドロ・アルモドヴァル監督作品(ライブ・フレッシュオール・アバウト・マイ・マザートーク・トゥ・ハーバッド・エデュケーション)。そのコンビで国際的に名を馳せ、今作の抜擢につながった。 他にアナとオットー愛よりも非情、英語作品としてはジョン・マルコヴィッチのレディース・ルームがある。 新作はアルモドヴァルのVolver。 

 

■ ダリオ・マリアネッリ   『プライドと偏見  
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     初ノミネート  

 イタリアンのピサ出身。1990年代半ばより映画作曲家としての活動を始める。当初は英国の低予算映画が中心。マイケル・ウィンターボトム監督のイン・ディズ・ワールドでの仕事が高い評価を受ける(コンテナから疾走するときの曲は見事だった…気がする)。この辺りから注目を集めプライドと偏見につながったのではないか。ここから公開は先に回ったがハリウッドの大作ブラザーズ・グリムを手掛け、次回作は更にスケール・アップしV・フォー・ヴェンデッタに。ハリウッドを担うコンポーサーになるのは間違いない。 他にポビーとディンガンなど。



■ ジョン・ウィリアムズ   『SAYURI』、『ミュンヘン    
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                   *太字はスピルバーグ作品 
     1967 ★ 哀愁の花びら  
     1969 ★ 華麗なる週末
         ★ チップス先生さようなら
     1971  屋根の上のバイオリン弾き
     1972 ★ ポセイドン・アドベンチャー  
         ★ イメージズ
     1973 ★ シンデレラ・リバティー/かぎりなき愛  
         ★ トム・ソーヤーの冒険
     1974 ★ タワーリング・インフェルノ   
     1975  JAWS/ジョーズ   
     1977  STAR WARS エピソード4/新たなる希望  
         ★ 未知との遭遇
     1978 ★ スーパーマン
     1980 ★ STAR WARS エピソード5/帝国の逆襲  
     1981 ★ レイダース/失われたアーク 聖櫃
     1982  E.T
     1983 ★ STAR WARS エピソード6/ジェダイの復讐
     1984 ★ インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
         ★ ザ・リバー 
     1987 ★ 太陽の帝国
         ★ イーストウィックの魔女たち  
     1988 ★ 偶然の旅行者  
     1989 ★ インディ・ジョーンズ/最後の聖戦    
         ★ 7月4日に生まれて 
     1990 ★ ホーム・アローン  
     1991 ★ JFK
     1993  シンドラーのリスト    
     1995 ★ ニクソン   
         ★ サブリナ  
     1996 ★ スリーパーズ  
     1997 ★ アミスタッド    
     1998 ★ プライベート・ライアン    
     1999 ★ アンジェラの灰  
     2000 ★ パトリオット  
     2001 ★ ハリー・ポッターと秘密の部屋  
         ★ A.I    
     2002 ★ キャッチ・ミー イフ・ユー・キャン    
     2004 ★ ハリー・ポッターと炎のゴブレット

 映画音楽に於ける。現在は「映画音楽家」としての世間認識であろうが、後世には偉大な作曲家に名を並べるであろう巨人。ボストン交響楽団の指揮者として来日も数回しており、またオリンピックのファンファーレ指揮者も5度務めている。オスカーのノミネートは45回(含む歌曲賞)を数える。この数字は伝説のアルフレッド・ニューマンに匹敵するが、作曲家の増加・多様化等を考えるとウィリアムズの数字の方が偉大に思える(優劣じゃなくてあくまでオスカーでの数字の値打ちはということ)。

 1932年ニューヨークのロングアイランド生まれ。73歳。 音楽家であった父の影響で少年期よりピアノ奏者を志し、19歳でソナタを作曲。 LAでの学生生活、朝鮮戦争従軍(3年間)、ジュリアード音楽院を経て生活のために映画音楽界に入る(ピアノ奏者としては挫折)。 1950年代後半にはミュージカルやTVシリーズのテーマ曲を多数手掛ける。1967年のオスカー初ノミネート以降はジャンルもドラマからサスペンスまで幅広くなる。 1970年代前半はディザスター・ムービーで名を馳せる。
 更なる飛躍は1975年JAWSでのスティーヴン・スピルバーグとの出会い。ジョン・ウェイン主演西部劇での音楽に感銘を受けたスピルバーグからの依頼であった。 以後の活躍振りは語るに及ばず。 



 【 初 期 予 想 】


1番手  SAYURI  ジョン・ウィリアムズ  (本命)  

2番手  ブロークバック・マウンテン   グスタヴォ・サンタオラヤ  (対抗)  


3番手  ミュンヘン   ジョン・ウィリアムズ  (大穴)    

4番手  プライドと偏見   ダリオ・マリアネッリ  

5番手  The Constant Gardener   アルベルト・イグレシアス        


 大巨匠ウィリアムズはこの10年間で11回!もノミネートを受けながら無冠。これほどの業績に対したった5回のオスカー受賞では少ない、と会員の票は御大に集中するであろう。 新しい面々が賞されるであろう今回のオスカーに於いて、大ベテランが賞される数少ないシーンになるはず。 心配なのはSAYURIミュンヘンの票別れ。新しいインパクト(withヨーヨーマ&パールマン)を打ち出した前作がメインになるだろうが、作品賞候補で勢いにのる後者に票が集まる可能性も捨てきれない。 どっちにしろ、2作品ノミネートという結果は「ジョン・ウィリアムズの年」という印象を残し、より票を集めることになるだろう。
 
 この巨人に挑める対抗はブロークバック・マウンテンサンタオラヤを於いて他ない。作品賞本命の勢い+テーマ曲の印象に残り安さは大きな武器だ。票割れの間隙を突けるか?おそらく、かなり厳しいだろう。 

 マリアネッリは厳しいものの、先年度受賞のカチュマレクと似た正統派曲で可能性はなきにしもあらずだが、むしろ今後に期待。イグシアスは管弦とシンセが印象的だが、ハリウッド進出の話は聞かず、(アカデミー賞的には)一発屋で終わる可能性あり。




勝つであろう…  SAYURI    
勝つべき…    SAYURIorミュンヘン  
勝って欲しい… ブロークバック・マウンテンSAYURI
 


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